^

くまの棲むまち

長谷川 拓郎さん 阿仁合コミューン

 長谷川さんと最初にお会いしたのは、5年ほど前のことでした。最近になって「阿仁合コミューン」を立ち上げたと知り、とても気になっていました。忙しい方なのでなかなか会っていただけないだろうなと思っていましたが、先日思い切ってお願いしたところ、快く時間を割いていただき、やっとお話をお聞きすることができました。

 まず驚いたのは、長谷川さんは小学校3年生から中学校2年までの思春期、マレーシアで暮らしていたそうですが、通学先がシンガポールの学校、つまり異国への通学ということで、毎日パスポート持参でハンコを貰いながらの通学だったそうです。現在映像制作や写真撮影などで活躍中の長谷川さんですが、当時の長谷川さんの網膜には異国の風景や人々の暮らしが映りこんでいて、それが今の仕事のベースになっているのかな?と想像したり。

 どこへ出かけても、その土地や暮らしの風景を切り取った映像をイメージしながら動いているそうです。気になる場所にはカメラ片手に何度も訪れては写真に収めていたそうで、気が付けば東北は全県移動していたといいます。福島県と山形県以外は実際に住みこんでの活動だったそうです。そこで秋田県のしかも秘境ともいえる阿仁地区との出会いは?とお聞きしてみました。

 「何年前だったか、阿仁合に来たときですが、1枚の地図を見てしまったんです。狭いエリアにもかかわらずお寺が6軒もあって、しかも暮らしていくのに必要なもの、保育園、小学校、中学校、病院、旅館、スーパーなど、この中に全てコンパクトに収まっている。そこにすっかり魅せられてしまいました。」(長谷川さん談)

 長谷川さんが初めて阿仁を訪れたのは2013年3月。そして間を置かず5月にも訪れたそうです。移動に要する時間と費用の無駄の解消も考え、3度目の阿仁は”移住”でした。端的に言わせていただけば、「記録映像」を作ることを目的に移住したということでしょうか。凄い方です!

 その後阿仁合コミューンを立ち上げたわけですが、お話を伺っているときにABS秋田放送が取材にやってきて、私の方の取材はストップ。翌日続きをお聞きしたいと思って再びお邪魔したら、今度は北鹿新聞社が取材に来て、またしてもストップ。ということで、阿仁合コミューンのことは、まだ詳しく聞いていませんが、いつも誰かが来ていますね。あるときは年配の方々が読み聞かせをやっていたり、またあるときはママと子ども達が絵筆を持ってWAROCK作りに夢中になっていたり。時にはインバウンドの外国人。 そしてオフィス奥で長谷川さんがニコニコ。

WAROCK:”ワロック”と読みます。ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので、長谷川さんの了解を得てフェイスブックページ”WA ROCK ANI”をご覧いただけるようにしました。

 地元の方々に何か伝えたいことはありませんか?とお尋ねしたところ、「ここに住んでいる人たちに生かしていただいていると感じています。若い方も年配の方も本当に良くしてくれて感謝しかありません」と仰っていました。
まだまだお聞きしたいことがありましたが、とにかく忙しい方です。いつかまたお邪魔して続きをお聞きしたいと思っています。何事も広い視野で物事を見ていらっしゃる実に素晴らしい”人物”でした。お会いできて本当に良かった。お忙しい中ありがとうございました。

《余談》私はコソっと「クロモジ茶」を買いにお邪魔したりしています。上杉組製造のお徳用のクロモジです。香りが立ちます。

アクセス

阿仁合コミューン
〒018-4613 北秋田市阿仁銀山 阿仁合駅前
TEL 0186-67-7030
E-mail : aniai_commune@outlook.com
web : https://www.aniai-commune.com/